2012年8月24日金曜日

日野市役所で「健全財政化に向け今すべきことは?」をテーマに係長職研修を行いました。

本日、日野市役所の係長職150名の職員を対象に、「日野市の財政健全化のために、 今、私達は何をすべきか」をテーマに、2回に分けてそれぞれ約2時間の研修を行いました。
今回の研修は、馬場日野市長の要請により、財政課と職員課の支援を得て開催したものです。

これは、日野市では今年、景気影響等で税収が低迷する中、生活保護費等の扶助費が大幅に増加し、公債費や職員給与等を含めた義務的経費が、税収を超える負担に陥る状況が予測されています。(講義資料のP37参照

さらに、日野市は、これまで製造品出荷額が都内で1位を維持してきた企業城下町でした(講義資料のP48参照)が、昨年末に東芝日野工場が閉鎖され、2020年には日野市を代表する日野自動車も茨城に移転することが発表されました。これにより、法人市民税や固定資産税収入の落ち込みに加え、これら企業に支えられた地元企業や商店、社員の雇用や税収への影響が懸念されています。

このような状況を民間企業で考えますと、会社の売上以上に固定費がかかっている現状に加え、重要なお客様を失い、更に売上の大幅な減少が予測されており、会社の存続が危ぶまれる状態にあるといえます。

この状況下おいて、市の行政執行の中核をになっている係長職の職員の皆様に対して、このような日野市の現状を打破して頂くために、今回の研修を通じて、「いかにして財政健全化を図り市の生き残りを実現するか?」を考えて頂きました。

この研修に先立ち、参加者には、日野市の財政上の課題、その解決方策、その期待される効果を考えてきてくださるように課題を与えておきました。(課題シート参照
研修では、私から、日野市の課題や財政健全化に向けた歳入拡大や歳出抑制策の事例案を紹介したうえで、4名程度のグループに分かれ頂き、市全体や各職場の課題と、今後の対応方策を議論しもらい、その後各グループの議論結果を発表して頂きました。(講義資料のP54-72参照

この発表では、医療費削減や図書館の有効活用に向けた政策提案や、各職場での経費削減に向けた業務見直し、受益者負担の導入等、具体的な解決方策が提案されました。現場を仕切っておられる係長職の方々の提案ですので、実務的なものも多くありましたので、早速課内で検討され、実行できるものから順次取り組まれるようにアドバイスをしました。

最後に、私から、公共サービスを担い手は、行政だけでなく、市民や企業と分担しながら、進める時代に入っていますが、そのかじ取り役は行政の職員の皆様です。
ただ、その際、職員の皆さんは市民の税金から給与をもらってこれらのサービスを行っているが、市民は街のために役立ちたいという気持ちと、参加することの楽しみや満足感を対価(やりがい)として協力しているので、この点を十分に理解した上で、行政は市民活動を支える姿勢で、取り組みを考え、積極的にサポートしてほしいと総括しました。(講義資料のP74-80参照


受講された職員の皆様からは、今回の研修で日野市のおけれた財政状況を再確認でき、かつ他部門の方々と意見交換ができたことで、自分たちが今後なすべきことが具体的に見えてきて良かったと、評価して頂きました。

以上