東洋大学大学院公民連携コースのゼミで、「自治体財政の市民への可視化」をテーマに当会の石塚副代表と私でゲスト講師として、昨日講義を行いました。
このゼミの院生は、私たちと同じ社会人で、県会議員の方、シンクタンクの方、CSR関係の方などさまざまですが、公民連携に関わっている方が、仕事終了後に参加してくださいました。
まず、当会から、当会の活動内容や課題、行政との関係を講演した後、「行政と市民との協働」をテーマにディスカッションをしました。この議論では、行政(市長)と議会(議員)の2元行政のあり方や、最終的な意思決定プロセスの必要性、市民参加による行政政策の立案活動の期待と課題等について、日野市の現状や行政課題等の具体的な事例に基づき、活発な意見交換がなされました。
特に印象に残った意見としては、「本来、市は、納税者たる市民から信託されて、預かった税金を使い行政を行う義務があるので、その行政内容や結果を財政白書として市民に分かりやすく報告する義務がある。このような義務を放棄した市に代わって、財政白書を作成する市民は、「物好き」だ。」というものです。
この意見は、今の日本人の価値観を表した本質的な論点を含んでいると感じました。
しかし私たちは、たとえ「物好き」と思われても、世の中が少しでも良い方向になることであれば、その実現のためには行政も市民もなく、お互いにできることを行っていき、子どもたちのためにも、より良い社会を創って行きたいと思っています。
本来、行政(市長)のチェック機能であるはずの議会も、多くの地方公共団体では、議員が一部の受益者の利益代表になり、公共施設誘致やサービスの拡充等に関して、行政に働きかける存在になっていると言われています。
このようにチェック機能が働かない状況では、懸命に働いて納税しているサラリーマンが、その税金の使い道をしっかりとチェックし、民間の経営視点から、最大多数の幸せのために資金が有効に活用されように、行政政策や活動に、意見、提言を行うとともに、一緒に知恵と汗をだしていくことが必要だと思っています。
私たちが今の生活を営む(楽しむ)ために、子どもたちから借金をして良いわけはありません。無駄な行政活動やサービスを見直しながら、(現実に借金をしている以上は)将来のための投資を行う勇気をもって、市民(親)が立ち上がるときだと思います。
私たちが立ち上がらないと、今の日本は、「子どものすね」をかじりながら、ジリ貧になっていき、自分たちの老後もますます心配になっていくことでしょうから。
最後に、今回参加させて頂いたゼミを総括して、担当教官の先生が、「自分たちも地域のメンバーとして、地方自治にも目をむけ、地域のために活動していくことも必要ですね。」とまとめてくださいました。
貴重な機会を与えてくださりありがとうございました。
以上
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