2013年5月25日土曜日

今年も早稲田大学で、「未来は自分の手で作り出せる。「感・動」から始める市民活動の7か条」をテーマに、講義してきました。

本日、早稲田大学「公共経営入門講座」において、「日野市における市民団体と市の取り組み」として、当会の活動を事例に、以下の「市民活動の7ヶ条」を紹介し、まずは「感じる」ことから始め、ぜひ「動き出し」てほしいと提案させて頂きました。
【講義資料】 https://docs.google.com/file/d/0By3NYwE2gDIsSFlQNkhQMHZ0TEE/edit

1.感心を持つ。 【自分の身近な社会や環境に関心をもとう】
2.調べる。 【ググった後で、知り合いに聞いたり、役所に相談してみる】
3.考える。 【どうすれば良いか。自分でなにができるか。←考えたことはすべて正解】
4.行動する。 【まずはできることからやってみる。最初の一歩を切る勇気が大切】    
5.反応をみる。 【自分の考えや行動が、社会で受容されるかを確認し反省する】
6.共感を得る。 【一人ひとりとのつながりを大切にして、人的ネットワークをつくる】
7.活動を継続する。【継続は力! 継続するには、力がいるが、それで力がつく】

この話の後で、受講者の皆さんに、自分の故郷やいま住んでいる街の良いところや課題を、チームに分かれて、20分間話し合ってもらい、発表して頂きました。

最初は初対面なので少し緊張していた受講者も、自分たちの故郷を良くするために、お互いの街を紹介し、良い点や課題を話し合ううちに直ぐに場が和み、短い時間でしたが、以下のように、「感じる」点を見出し、どう「動き」だせば良いか考えてくれました。(流石は早大生と感心しました)

①退職された方々と大学生が連携して、地域の防犯対策やゴミ拾いをすることで、年代をつなぐ人的ネットワークを作りたい。
②自分の住んでいる街に大学があるので、その大学の学生と一緒に早大生が街の活性化に向けたプロジェクトを起こしたい。
③横浜の待機児童対策や福岡の街の活性化策等、参考になる事例をその街の出身者と一緒に調べ、自分の故郷で参考になるよう提案したい。
④増加する高齢者が利用できる交通機関が不足しているので、近所の人が車で送迎等できるような助け合いの仕組み(エコマネー等)を考えたい。

講義の後、小林麻里教授から、「最近の大学生は、デフレの中で育ってきたので、派手さはないが、現実の社会をしっかり把握したうえで、自分が何をなすべきかを考えている。」とのお話を伺い、今回の講義に参加してくださった学生が、これからの日本や地域の未来を切り開いてくださることを、とても期待しています。

以上


2012年8月24日金曜日

日野市役所で「健全財政化に向け今すべきことは?」をテーマに係長職研修を行いました。

本日、日野市役所の係長職150名の職員を対象に、「日野市の財政健全化のために、 今、私達は何をすべきか」をテーマに、2回に分けてそれぞれ約2時間の研修を行いました。
今回の研修は、馬場日野市長の要請により、財政課と職員課の支援を得て開催したものです。

これは、日野市では今年、景気影響等で税収が低迷する中、生活保護費等の扶助費が大幅に増加し、公債費や職員給与等を含めた義務的経費が、税収を超える負担に陥る状況が予測されています。(講義資料のP37参照

さらに、日野市は、これまで製造品出荷額が都内で1位を維持してきた企業城下町でした(講義資料のP48参照)が、昨年末に東芝日野工場が閉鎖され、2020年には日野市を代表する日野自動車も茨城に移転することが発表されました。これにより、法人市民税や固定資産税収入の落ち込みに加え、これら企業に支えられた地元企業や商店、社員の雇用や税収への影響が懸念されています。

このような状況を民間企業で考えますと、会社の売上以上に固定費がかかっている現状に加え、重要なお客様を失い、更に売上の大幅な減少が予測されており、会社の存続が危ぶまれる状態にあるといえます。

この状況下おいて、市の行政執行の中核をになっている係長職の職員の皆様に対して、このような日野市の現状を打破して頂くために、今回の研修を通じて、「いかにして財政健全化を図り市の生き残りを実現するか?」を考えて頂きました。

この研修に先立ち、参加者には、日野市の財政上の課題、その解決方策、その期待される効果を考えてきてくださるように課題を与えておきました。(課題シート参照
研修では、私から、日野市の課題や財政健全化に向けた歳入拡大や歳出抑制策の事例案を紹介したうえで、4名程度のグループに分かれ頂き、市全体や各職場の課題と、今後の対応方策を議論しもらい、その後各グループの議論結果を発表して頂きました。(講義資料のP54-72参照

この発表では、医療費削減や図書館の有効活用に向けた政策提案や、各職場での経費削減に向けた業務見直し、受益者負担の導入等、具体的な解決方策が提案されました。現場を仕切っておられる係長職の方々の提案ですので、実務的なものも多くありましたので、早速課内で検討され、実行できるものから順次取り組まれるようにアドバイスをしました。

最後に、私から、公共サービスを担い手は、行政だけでなく、市民や企業と分担しながら、進める時代に入っていますが、そのかじ取り役は行政の職員の皆様です。
ただ、その際、職員の皆さんは市民の税金から給与をもらってこれらのサービスを行っているが、市民は街のために役立ちたいという気持ちと、参加することの楽しみや満足感を対価(やりがい)として協力しているので、この点を十分に理解した上で、行政は市民活動を支える姿勢で、取り組みを考え、積極的にサポートしてほしいと総括しました。(講義資料のP74-80参照


受講された職員の皆様からは、今回の研修で日野市のおけれた財政状況を再確認でき、かつ他部門の方々と意見交換ができたことで、自分たちが今後なすべきことが具体的に見えてきて良かったと、評価して頂きました。

以上



















2012年6月2日土曜日

早稲田大学で、「市民と役所が協働で行う行財政改革」を講義してきました。

昨年に引き続き、本日、早稲田大学「公共経営入門」で、「日本における公共経営の課題:地方の改革」 -日野市における市民団体と市の取組み-の講義を行なってきました。

今年は、最初の1時間で、当会の活動を通じて、市民がどのように地元ために、どのような貢献ができるかを紹介しました。(添付PDFご参照

その後、受講者の皆さんに、地元に課題や今後のアクションアイテムをグループ討議してもらいました。

初めてあった約70名の受講者が、その場で15チームを作って、地元の紹介や課題、印象を和気あいあいと話しあっていました。

その発表では、例えば、観光やスポーツを活用して地元をPRする活動を行うことや、お年寄りに気さくに声をかけてコミュニケーションをとること、若者が行政と一緒になって未来につながる改革を実行していくこと等、大変貴重でかつ有効な行動指針が示されました。

はじめてあった学生同士が、短時間で課題を整理し意見をまとめ、中身のある提言ができたことに、なかなかやるな!と感心しました。

今回の授業を通じて、感じたことを行動に移していくこと、すなわち「感動」することを期待しています。

以上

2012年3月29日木曜日


 本日、馬場 日野市長に、Certificate of Good Citizenshipの受賞報告を行なってきました。

市長からは、公民協働の成果として、これまでの活動が評価されたもので、市としても価値のある表彰とお話をいただきました。
今後は公会計に関しても、市民にわかりやすく伝えるように財政課と共に対応してほしいと要望を受けています。
 この表彰楯は、今後日野市役所で市民の皆さまに御覧いただけるようになる予定です。

以上

2012年3月22日木曜日


昨日、早稲田大学で、パブリックディスクロージャー賞表彰式が行われ、日野市と当会が、Certificate of Good Citizenshipを受賞致しました。
受賞対象は、「市民が市民のためにつくった財政白書」で、受賞内容は、以下の通りです。
「地方公共団体と市民の協働による、住民の視点に立った優れた財務情報開示の実務を認定し、さらなる取組を奨励するものです。行政運営の真の担い手(プリンシパル)は市民です。市民との協働の推進が、行政経営を透明性を高め、行財政改革を成功に導きます。貴団体と日野市健全財政を考える会の取組が、行財政改革の確信をリードすることを期待します。」
神野先生の講評では、「ギリシャ危機に代表されるユーロクライシスは、通貨をユーロに統一したため、ユーロ加盟国はその経済情勢に応じた通貨貢献が働かないだけでなく、その一方でユーロ加盟国が財政を統一していないため、各国の財政状況に応じた財政調整も実行できていない。
実体的には、ユーロ加盟国は、通貨貢献を持たない地方公共団体と同じ立場であるが、現状ではそれらの財政を調整する国が存在していない状態である。
このような地方公共団体では、財政運営を行う「術(スベ)」として公会計を活用して、政策評価や事業別決算を行い、財政の健全化を実現する必要がある。」とのご高説がありました。

2011年6月11日土曜日

早稲田大学で「市民による財政開示と行財政改革」をテーマに講義してきました

本日(2011.6.11)、早稲田大学オープン教育センター「公共経営入門講座」で、当会のこれまでの活動を紹介し、学生の皆さんに今後目指してほしい公共活動に関してお話してきました。

講義に使用した説明資料は、こちらに掲示しています

講義内容の骨子は、以下のとおりです。


1.これからの社会を創造し、変革していくのは、市民が主役の時代になった。

 このことは東日本大震災で証明された。行政や政府に期待していても動かない。市民が動き、行政を動かしていかないと、私たちの生活やこの国の未来は守れない。
 特に学生の皆さんには、この国の未来を考え行動する時間があるので、是非今日の講義をキッカケに、身近なことから感動(何かを感じて、問題を調べ、課題を考えて、行動する)してほしい。

2.経済成長の影で、知らないうちに馴染んだ贅沢な暮らしを、若者の視点で、見直す時期に来た。

 福島第一原発問題の影響で、国民の節電意識が劇的に変化した。これまで街中の照明や広告、電車やオフィス、商店の冷房、エスカレータ等の移動手段等、経済成長の恩恵で、便利で快適な社会が構築されたが、これらは逆言えば、運動の機会や体温コントロール機能を退化させる要因とも考えられる。

 このような知らず知らずのうちに贅沢が浸透した社会は、例えると糖尿病に冒されたようなもの。この贅沢は、子供たちから借りたお金で、親たちがすき焼きを食べているようなもので、まさに学生の皆さんが、今、真剣に考え行動していかないと、親の食べた「すき焼き代」を、将来「お茶漬け」をすすりながら、働いて返しつづけることになってしまう。

このため、今日の私の講義を契機に、この国の未来のため、市民の将来の生活のために、感動してくれる仲間が増えることを期待している。

3.街の未来は市民が責任をもって、考え切り開いていく必要がある。

 市長は、4年に一度選挙の洗礼を受けるため、長期的な視点で、持続可能な社会を実現するために、市民に苦渋を与える政策を実行することは難しい。(これはその街の有権者のレベルに影響する問題であるが、一般的には、4年間の短期的な成果で評価されている。)

 また市の職員の方々も、市役所は職場であり、自分は他市で生活している人も多い。このため、その市の財政が悪化し、給与が減ることはあるが、自分の生活の場には影響をしない。所詮他人事の話になってしまう場合がある。
 
 このような点を考えると、自分たちの生活の場や家の土台を守るのは、そこで生活している市民が、自分の家庭を守るのと、同じくらいの責任感で、地域活動をしていく必要がある。
また市の行政運営者である市長や議員の選挙では、その立候補者の短期的な政策だけでなく、長期的な財政への考え方や責任感も十分に考慮した上で、必ず投票を行うことが重要である。



4.行政改革の成果として市の業務を民営化しても、そのコストが単純に上乗せされたのでは、意味がない。

 市の職員の皆さんは、地方公務員法で、その雇用や労働条件(よっぽどでないと解雇できず、降格も困難)が保護されている。このため、例えば学校給食や保育所の民営化を進めることは、市民へのサービス向上と国からの補助金等を考えると市の財政的にも好ましい面があるが、専門職として採用した調理師や保育士の方々を民営化の代償としてリストラすることはできないので、別の職場で有効活用する必要がある。

 この有効活用ができないと、結果として民営化をして、サービスのコストは削減できたが、市全体としては人件費に変化がないので、その民営化した分だけコストが増加したことになってしまう。

 かといって、市の職員の平均年収が800万円を超えている状況で、民間であればその半分のコストでもできる仕事を継続していることは税金の無駄使いである。このような業務は民間委託を進める一方で、如何にその年収に見合った仕事で能力を発揮してもらうかが、行政経営上の大きな課題である。
 ただ、これには、旧態依然として、組合や議会との関係を調整が必要になり、なかなか断行できないという問題をはらんでいることも考えておかなくてはならない。

5.公共投資を止めて、社会福祉に注力し続ける社会では、不便な暮らしと莫大な借金が待っている。

 近年、行政や議員と、業者の癒着の問題から、公共設備(インフラ)投資は批判されてきたが、この投資の結果、子供たちに便利で安全な社会基盤を残すことができてきた。
 しかし現在の行政では、高齢化社会の進展による老人医療費や、景気低迷の影響による生活保護費等の社会福祉関係の費用が大幅に伸びており、自主財源として有効に活用できる予算は極めて少なくなっている。
 これは、民主党が衆議院選挙で言っていた「コンクリートから人へ」で代表されるが、「コンクリート」への投資は、借金も残るが、その後50年以上にわたり子孫が有効活用ができる。しかし「人」への投資は、その人によって消費され、将来の子供たちには、借金だけが残ってしまう結果になる。

 この「人」への投資は、人間の命や尊厳、人道的な視点からもとても重要な事項で、お金には替えられないものだが、社会福祉はいま生きている人へのサービスなので、今の人が税金で負担するようにしないと、将来皆さんが大変な借金を抱えてしまうことになる。
このため、将来を担い皆さんが、今のうちに、真剣に考えておかないといけない自分たちの大きな課題である。

6.みんなが「割り勘負け」しないように飲食していたら、追加料金を支払う必要が出てくるぞ。

 市のサービスで受給してもらえるものは何でももらおうとすると、その分の負担は私たちの税金や子供の借金で賄わなくてはならなくなってしまう。
 例えば、子供の医療費が無料だからといって、軽い打撲でも直ぐに病院にいって、シップ薬をたくさんもらってくる。働けるのに、楽していたいから生活保護の受給を受けつづける。マッサージ券が支給されるからといって、必要もないのにマッサージを受ける。
 こういったことをみんなが行っていると、この「つけ」は、真面目に働き納税している市民や、知らないうちに借金が積み上げられる子供たちに負担が増していくばかりか、さらに追加の費用を支払う必要がでてくる。

 ひとりひとりの市民が、同じ社会の仲間として、受給だけでなく、奉仕の気持ちをもって、「必要のない行政サービスは使わない」、「自分たちができる公共サービスは行政コストを使わないように自分たちで行う」等を実行していかないと、このままでは「割り勘負け」どころか、「食事ができない」状況に陥ってしまう可能性がある。
 是非、これからの市民生活のあり方(自分のことはなるべく自分でやる)や、社会福祉の方向性(大きな政府か小さな政府か)を考えてほしい。


 少し刺激的な表現で、学生の心に感動を与えたいと力説しましたが、講義終了後約10名の学生の方が真剣に質問してくれたことは、さすが早稲田大学の学生だと、嬉しくこころ強く感じました。
 
 今後感想文を提出して頂けるとのことですので、楽しみにしています。

以上

2011年6月2日木曜日

この国の未来のために、今の政界には我慢できません。

もう我慢の限界です。この国の国家議員は、何をやっているだ。
大震災で被災し苦しんでいる国民を放置し、好き嫌いや怨念で、国会を空転させている。

こんなことに時間や労力をかけるなら、被災地で瓦礫をかたずけてこい。
被災者と一緒に生活してこい。必死に原発の現場で働く人を励ましてこい。景気後退の中必死に働いている人の声を聴きに現場に来い。節電のために協力している国民の生活を実感しろ。

口先だけで、国民の声だの意思だの勝手に使うな。
いま国民は、この国をall Japanで復興したいと本気で考えている。じっと我慢もする、自分の生活を抑えても寄付や協力にいそしむ。こんな素晴らしい国民の上に胡坐をかいて、自分たちだけ税金を使って、この国の未来をつぶしたり、国際的な評価を下げる行動はやめろ!!


私は、この国の未来のため、子供たちの将来のため、私たちが安全で社会で安心できる生活を遅れるために、公会計改革の提案をしてきているが、このような「爪の先に明かりを灯す」ような国民の努力も、いまの国会議員の自己保身や愛憎による政治のために、つぶされていく。情けない。

この国は、やはり勤勉で思いやりのある国民でもっている。このことが今回の震災復興で証明された。
国民の手に政治を戻す活動を、国民全体で真剣に考える時期にきた。
総選挙になっても、投票する候補者がいないという情けない状態をなくすことが必要だ。

命を懸けて、この国のため、未来のために行動する仲間を結集したいと考えている。
是非、皆さんの意見を聞かせてほしい。

以上

PS:
今の国の状況をみて、居ても立ってもいられず、久しぶりにブログを復活しました。
これからもこの国の未来のために、公会計改革や健全財政を考える会の活動状況も含めて、投稿していくようにしますので、よろしくお願いします。